プロジェクト健闘記 |
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ひょんな事から、年配のお客さんに「BSAの650の事故車で何年も動かして無いのが有るけど要る?書類無いからタダで上げるけど。」と声を掛けられた。 「それって別体ミッションの奴?」と私。「多分別体だったと思うな。随分昔の事なので忘れちゃったよ」とお客さん。何か面白いヴィンテージレーサーを探していたところだったので、もちろん二つ返事で引き上げに伺う事にする。 「別体ならA10でタイムトンネルのスーパークラシックに出られるな・・・」捕らぬ狸の何とやら・・・で、つい顔が緩みそうになるのを抑えながら引き上げに向かう。 想像はしていたけど・・・。現物を見て気持ちが失せそうになった。そこに見た物は、何十年もの永き年月に由り変わり果ててしまった確かに別体ミッションの「BSA A10」であった。フロント回りは、事故により無残にも片方のフォークが折れ、メーター周りも欠品し、全体が錆だらけで、それこそ畑から掘り出して来た様な無残な姿だった。 もちろん両輪とも固着していて押せやしない・・・。「タダで貰える」という欲に後押しされ、二人係でなんとかトラックに載せ、ご主人に御礼を言って帰ってきた次第。 店に降ろした写真を参照して欲しい。これが汗と努力と気力と愛情で甦り、颯爽とサーキットを疾走する筈だ。多分、きっと・・・。 時の移ろいは恐ろしい物で、店の隅っこに追いやられた「A10」をなるべく見ない様にしてきたのだが、ふと気が付くと店に来てからもう3ヶ月もたっているではないか!これは間に合わないぞ。という事で店の隅から引っ張り出し、どの様な形にするかだけでも決めようか、という事になり先ずはストリップに。とりあえずフロント回りを仮組みし、作業台の上に載せ頑固オヤジの様に、テコでも動かなそうになっているボルト類を注意深く緩めていく。今回の「A10プロジェクト」リーダーに任命された後藤メカが作業を黙々とこなして行く。心強い限りだ。私ときたらただ傍で眺めていて口先だけで応援している。笑顔で接してくれてはいるが、きっと邪魔な存在なんだろうと思う。 プロジェクトリーダーの後藤メカと加藤チーフの意見でステムは、CB750Fの35Фで。リムは前後とも18インチにし、在庫品のアクロンH型アルミリムに。フロントドラムはSR用で、リアは検討中である。いつもの様に金を掛けずにどの位速いレーサーが作れるか、メカの腕の見せ所である。他人事のようだが、頑張ってくれと祈るばかりだ。 タンクは付いていたアルミタンクを板金塗装する手もあるが、現在思案中である。シートも然り。こんなところでササッと外装のアウトラインを適当に決め、エンジン等のレストア作業に進んで行く段取りだ。何十年という年月の中で冬眠していたエンジンだが、火花が出た時は、皆が思わず声が出た程嬉しかった。大したものだ。だがこんな事で喜んではいられない。なにせサーキットを走るのだから・・・。大丈夫かプロジェクトリーダー?大丈夫です!今からパーツリストを注文しますから〜。と頼もしい言葉。10月のレースに、こんな事で間に合うのか・・・。という事で、今回はここまで。こうご期待あれ! |
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